原発(原子力発電)のメリットとデメリットについてこのページで見易くまとめてみました。
まず、メリットとデメリットと言う言葉の意味について説明します。
「メリット」とは、利点(有利な点)、長所と言う意味の言葉です。
「デメリット」とは、欠点(不利な点)、短所と言う意味の言葉です。
どのような事柄にも、大抵は、メリットとデメリットが存在しています。
今回は、原発(原子力発電)のメリット(利点)と原発(原子力発電)のデメリット(欠点)の他にも、
原発(原子力発電)に関するプラスアルファ(+α)の情報をまとめていますので、
調べものなどの参考としてもお役立てください。
【原発(原子力発電)のメリット】
原発(原子力発電)のメリット(利点、長所)としては、以下のものが挙げられます。
- 地球温暖化の原因のひとつとなっているCO2(二酸化炭素)の排出量が少ない。
- ウラン燃料を使用する場合は、リサイクルが可能である。
- ウラン燃料の使用量の割合に対して発電効率が良い。
- いまのところ、ウラン燃料の価格が安定しているため、原油高などの影響を受けにくい。
- プルトニウムは、核兵器として転用が可能(軍事利用が可能)である。
- 原発運転中は比較的、静かである。
- 巨額の補助金(国民の血税)により、過疎化した地域の復興に貢献できる。
書き出してみると、原発はメリットが少ないことが良く分かります。
【原発(原子力発電)のデメリット】
原発(原子力発電)のデメリット(欠点、短所)としては、以下のものが挙げられます。
- たった一度の大事故で取り返しのつかない事態になる。
- 放射能汚染により、その土地や周辺に人が住めなくなる。
- 放射能に汚染された土地や周辺の農業、漁業、その他の産業、
観光地などは大打撃を受けてしまう。(風評被害ではなく、実害被害) - 放射能被爆による人体への影響が深刻である。
- 大事故の場合、損害賠償費用が巨額になる。
巨額の損害賠償費用は電力会社が払える訳もなく、国民の血税が使われる。 - 損害賠償費用が巨額のため、適当な理由をつけて電気料金が値上げされる。
- 原発は利権の塊である。原発利権に群がる者たちだけが甘い汁を吸っている。
- テロに狙われたら取り返しのつかない事態になる。(国家消滅もありうる。)
- 大事故を起こしたときのリスクの大きさが発電に全く見合わない。
- 数ある発電方法のなかでは、実は原発がいちばん高コストである。
(福島原発事故後、原発は低コストと言っていた電力会社のウソはバレました。) - 電力会社が言っていた「原発は安全」というのは大ウソで、
小規模の事故はかなり頻繁に起きている。 - 電力会社の天災対策がいい加減であるため、大事故が起きる可能性が高い。
- 日本は地震多発国であるため、大地震により、大事故が起きる可能性が高い。
- 人為的なミスで大事故が起きてしまう可能性がある。
- 大事故が起きると、電力会社と政府は隠蔽に走り、
正しい情報が出てこないため、危険である。 - 電力会社は、人間の健康より、利益や権力を最優先する企業体質であるため危険。
- 電力会社は嘘ばっかり言っており、全く信用できない。
- 原発利権者の財力や権力により、国民の声を無視して原発が推進されている。
- 放射能で汚染された土地は、数百年から数千年、
最悪の場合は数万年は元に戻らない。 - 老朽化などで原発を廃炉にする際は建設費用以上に巨額の廃炉費用がかかる。
- 原発を廃炉にすると、周囲が必ず放射能で汚染されてしまう。
- 老化して廃炉にしなくてはいけないのに廃炉費用をケチろうとして
無理に運転させいる施設もあり、危険である。 - 電力会社のいい加減な管理のため、作業員の被曝が実際に多発している。
- 通常運転でも、微量の放射性物質が外部に排出されている。
このため、人体への影響が心配される。
実際、ドイツでは、原発周辺に住む子どもは、
白血病の発症率が高いという調査結果を発表しています。 - 使用後に処分に困る放射性廃棄物(核廃棄物)が出る。
- 放射性廃棄物(核廃棄物)は処理方法がないため、どんどん増え続ける一方である。
- 放射性廃棄物(核廃棄物)は、ほぼ永久と言えるほど、ずっと管理しなくてはならない。
(核廃棄物は、10万年~100万年は管理が必要と言われています。) - CO2(二酸化炭素)の排出量は、技術の進歩により減らせるが、
原発から出る放射性廃棄物は減らすことができない。 - 放射性廃棄物(核廃棄物)の管理費用は国民の血税が使われる。
- 放射性廃棄物(核廃棄物)の廃棄場所の確保が困難である。
- 放射性廃棄物(核廃棄物)の廃棄費用がかかる。
- 放射性廃棄物(核廃棄物)の輸送中に大変なトラブルが起きる可能性がある。
- 放射能汚染は人体や自然に大損害をもたらす。
- 放射性廃棄物(核廃棄物)は実は全くクリーンではない。
- 原発はクリーンな電力というのは全くの嘘である。
- 原発の施設は、広大な土地が必要である。
- 日本国内では、ウラン燃料はほぼ入手できない。
- ウラン燃料はあと50年~80年で枯渇する。また、低価格のウラン燃料は残り少ない。
- 原発は完全に停止していない場合、巨額の維持費用がかかる。
- 原発運転時に出る温排水は地球温暖化の原因のひとつである。
- 原発を動かし始めたら、出力の調整が難しい。
- 出力の調整が難しいため、電力が余る深夜は、無駄な揚水発電が必要である。
あらためて見てみると、ほんと、原発は、デメリットの方が多すぎますね…。
福島原発事故以降、これまで電力会社が原発は低コストや安全であると言っていたことは、
全て大嘘だったことがバレてしまいましたし、原発はデメリットばかりで、
原発利権の甘い汁を吸っている者だけが得をする構造になっていることが良く分かります。
【原発は実はいちばん高コスト!】
福島原発事故後、原発は実はいちばん高コストな発電方式であることが、
国民たちにバレてしまいました。増え続ける放射性廃棄物(核廃棄物)の処理費用、
増え続ける放射性廃棄物(核廃棄物)の管理費用、原発の廃炉費用、
大事故による天文学的な損害賠償費用、汚染された土地周辺の農産業、漁業、
観光業などが大打撃を受けることを考えれば、いかに原発が他の発電方式に比べて、
超高コストで割高なのかが分かります。
(高コストなのに電力会社が原発を動かしたい理由は後述)
【原発を動かなさいと電気が足りないは大ウソ!】
原発を利用しなくても、日本の電力は、火力発電と水力発電だけでも十分足りています。
これは、電力会社自身が発表している、各発電方式の供給量から判明しています。
事実、全ての原発が止まった時期がありましたが、
それでも日本の電力は十分に足りていましたし、
その後も、電力需要が多い夏場でも原発の稼働は全く必要ありませんでした。
今までいかに電力会社が嘘をついていたか、国民にバレた瞬間でもありました。
また、2011年3月に、東京電力は、計画停電を実行し、
電力を供給している管轄エリアの住民を大混乱に落としましたが、
あのときの計画停電は、福島原発3号機の即発臨界核爆発(東電は、
水素爆発と言っていますが、あきらかに即発臨界核爆発です。)を
国民の目から誤魔化すために計画停電をわざと実行したと、
国内や海外の専門家から指摘されています。あれは本当に酷かったです。
【電力会社が原発を動かしたい本当の理由】
電力会社は「原発は低コストでクリーンなエネルギーです。」と言って、
全国各地に多くの原発を建設しましたが、
本当は、原発が低コストでクリーンなエネルギーでなかったことは、
福島第一原発事故以降、あきらかになっています。
では、電力会社が原発を推し進めたい本当の理由は何でしょうか?
ひと言で簡単に言ってしまえば、
電力会社が「儲かるから」です。
原発には、巨額の利権がつきまとっています。
国からも巨額の補助金(もちろん、国民の血税です。)が出ます。
また、日本の電気料金の設定は、ちょっと特殊で、
「総括原価方式」と言われる方式を採用し、電気料金を決めています。
原発の施設や運用費用などは、資産や経費として計上できるため、
電力会社は、原発を造れば造るほど電気料金に上乗せでき、
電力会社が儲かる仕組みになっています。
このため、電力会社は、原発に対して有利でいいイメージを伝えてもらおうと、
マスメディアに多額の広告費を使用したりしています。
マスメディアが電力会社に不利になることを報道をしないのはこのためです。
同じように、原発に対して有利な政策を取ってもらうために、
電力会社は、政治家や官僚たちの天下り先もたっぷりと用意しています。
それと、もう一つ、電力会社が現在、停止中の原発を再稼働した理由としては、
原発は完全に停止していない場合、巨額の維持費用がかかると言うことです。
原発が完全に停止していない場合の維持費用は、
1日あたり、施設の規模により、数千万円から数億円以上かかっています。
参考までに、大事故を起こした後の福島原発の維持費は、
年間 約900億円(この額は、東電が発表)です。
1日あたりの福島原発の維持費は、約2億4660万円です。
技術的な問題にぶち当たったまま解決できず、現在も全く発電できていない
血税食いつぶし原発で有名な「高速増殖炉もんじゅ」の2011年度の年間予算は、
約216億円で、1日あたりの原発維持費は、約5900万円です。
各電力会社の原発停止中の決算内容を見てもらえば分かりますが、
原発停止中の維持費だけで巨額の赤字になっています。
(ちなみに、原発施設を所有していない沖縄電力は黒字でした。)
電力会社にとって、今まで巨額の利益を生み出し、
儲けさせてくれた金儲けのための施設の原発が、運転を一時停止しているために、
赤字垂れ流し施設に早変わりしてしまった訳ですから、
電力会社としては、それこそ、嘘をついてでも、
なんとしても原発を再稼働したい訳なんです。
関西電力(関電)が夏場の電力が足りないと嘘をついて、
大飯原発を無理やり再稼働させましたが、実際は、原発を再稼働しなくても
電力が十分足りていたことは記憶に新しいところです。
このまま、中途半端に原発の運転を停止していると、
今までの原発で稼いだ利益は全て吐き出してしまいますし、
かと言って、廃炉にするにも巨額に費用がかかってしまうため、
電力会社は原発の再稼働に必死なんです。
【責任者たちのモラル】
福島第一原発事故当時の東京電力の会長だった「勝俣恒久」氏は、
原発事故後、一度も福島県に謝罪に行っていません。
ずっと雲隠れしています。
また、ご存じの通り、事故当時の東京電力の社長だった「清水正孝」氏は、
仮病(入院していたとされる間に、あちこちの東電の施設に
出向いていたことが発覚しています。)を使い、
謝罪会見を逃げ回っていましたし、その後も雲隠れしたままです。
原発事故の責任ですが、関係者は誰一人ちゃんと取っておらず、
当時の東京電力の幹部たちは、関連会社に全員天下りをしました。
当時の原子力安全・保安院たちは、多額の退職金(国民の血税)を受け取っています。
退任する東電役員の天下り先一覧 | |
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名前 | 天下り先での役職 |
勝俣恒久 会長(72歳) | 日本原子力発電社外取締役(再任) |
清水正孝 前社長(67歳) ※2011年6月に退任 | 富士石油社外取締役 |
木村滋 取締役(61歳) | 電気事業連合会副会長(再任) |
武井優 副社長(63歳) | アラビア石油社外監査役 |
荒井隆男 常務(60歳) | 富士石油監査役 |
高津浩明 常務(57歳) | 日本フィールド・エンジニアリング社長 |
藤原万喜夫 監査役(61歳) | 関電工社外監査役(再任) |
松本芳彦 監査役(60歳) | 東京エネシス社外監査役 |
情報ソース: 東電役員8人、引責退任後「天下り」 グループ社などに http://www.asahi.com/business/update/0621/TKY201206210127.html (朝日新聞が2012年6月21日に報道) |
【原発は圧倒的にデメリットの方が多い!】
今回は、原発(原子力発電)のメリットとデメリットをまとめてみましたが、
原発は、圧倒的にデメリットの方が多いです。
2011年3月に東京電力のいい加減な安全管理から起きてしまった福島第一原発事故では、
外部に大量の放射性物質を撒き散らし、広大な土地、海、山、川、湖、
ありとあらゆる場所が放射能で汚染され、取り返しのつかない事態になっています。
福島第一原発事故の影響による健康被害もこれからどんどんでてくるでしょう。
はっきり言って、原子力発電は、利権の甘い汁に群がる者たちだけが得をし、
人類にとっては、全く必要のない危険で迷惑なものと言えます。
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